老舗料亭の休業

社会人大学

公私ともにお世話になっている和歌山市の老舗料亭である安愚楽本店さんが、今年12月いっぱいで休業されるとのことです。和歌山市で安愚楽さんと言えば、一流料亭として名が通っているため、今回の休業は本当に残念です。安愚楽さんは明治二十三年に今の和歌山県高野口町にて料理旅館として誕生して以来、大正、昭和、平成、令和の五つの時代を歩んで来られたとのことです。仕事の面では、夕食プランの作成などで、ご無理を聞いて頂き、大変お世話になりました。主人さん、女将さん、従業員の方々のお仕事を拝見していく中で、一流とはこういうことを言うのだと実感させて頂きました。ただ高級な料理を提供し、丁寧な言葉遣いをするだけでは決して一流とは言わず、何気ない所作や振る舞いの中に、深いお気遣いを感じさせて頂きました。今回ご主人さん、女将さんとお話をさせて頂く中で、ご常連様の中には、今回の休業を大変残念に思い、お手紙をお送り頂いた方もいらっしゃったそうです。料理はただ、空腹を満たすものではなく、身体的、精神的においても、明日への活力につながるものであることは心から実感致します。今、苦しくてもこの仕事が終われば、あのお店へ行こう。そうした気持ちが毎日のタスクを成し遂げる原動力になっていると思います。もちろん和歌山市には安愚楽さん以外にも、素晴らしいお店はたくさんあると思います。ですが、個人的には、安愚楽さんのみなさんの仕事が今の私の仕事の仕方に大きく影響をもたらしてくれました。今回の休業について、社会環境の変化、跡継ぎなどは安愚楽さんだけではなく、他の店舗にも通じる問題だと思います。事業を継続させていくためには、どうすれば良いのか、当事者だけの問題に終わらせず、街の魅力をどうやって残していくのか、そのシステムづくりを考えていく必要があるのだと心からそう思いました。

紀州料亭安愚楽



コメント

タイトルとURLをコピーしました