今月の頭に、大阪天神橋六丁目商店街、高槻芥川商店街を巡ったあと、せっかくここまで来たのだからと京都まで足を伸ばしてきました。
JR高槻駅から新快速で約15分で到着し、こんなに早く着くとはさすがJRと思いながらJR京都駅構内を歩いていると人人人の嵐でした。
コロナの影響で、人混みは少ないかもと思っていたのとは裏腹に、着物姿の男女が歩く姿はまさにザ・京都でした。
何故、人は京都に来ると着物を来て歩きたくなるのか。京都でなくても日本であるならどこでだっていいのではと思いますが、やはり京都という場所がそうさせるのでしょう。
着物姿でいる理由としては、お茶やお花などのお仕事で必要であることや、ファッションとして着たいからといったことに二分されると思います。
ですが、私の地元の和歌山市で、街中で着物姿を見かけることはそう多くなく、京都での着物姿を見る機会は他の地域に比べてやはりダントツに多く感じられます。
京都で着物を着るというのは、白浜アドベンチャーワールドでパンダの帽子を被ったり、友ヶ島でラピュタの衣装を着て写真を撮るというような一種のコスプレなのでしょう。
そうすることで、京都へ行った、パンダを見に行った、聖地巡りをしたという思い出を作ることが出来るのでしょう。
そういった体験づくりを行える場所を持つ地域は人を訪れやすくし、いわゆる観光地となって行くのでしょう。
あざといと言ってしまえばそれまでですが、そのあざとさをお金に買える仕組みを持っている町ほど、賑わいがあります。
そんな事を考えながら、京都駅から歩いて北上していると、七条大橋に差し掛かり、川面を見ながらやはり京都は絵になるなあと京都マジックにかかっていきました。
歩き疲れたので、京阪電車に乗って、さらに北上を続けて錦市場で何か食べようと祇園四条で降りてみたところ、そこも人人人で三密を避けるどころではなくまさに人混みをかきわけて進むような状態でした。
目的の錦市場まではここから2kmもあると知ると、早々に断念して八阪神社が目の前に見えてきたので何か露天で食べようと入って行くとそこでも人だかりでした。
境内の中では、これから何か神事の様な事が起こるようなので、少し待っていると、お囃子の音色と共にオレンジ色の装束を着た人が神楽を舞い始めました。その舞は今まで見たことの無い舞でどこか東南アジアテイストを持ったものでした。京都と言えば本場和のテイストを代表する場所をイメージしますが、こうした神社といった和を象徴する場所で異国情緒を体験できるとは驚きでした。
後で、ネットで調べて見ると八坂神社舞楽奉納というらしく、975年(天延3年)に第64代・円融天皇の病気平癒を祈願する為に行われたのが起源と言われているとのことでした。
京都市内を歩いていると、こういった歴史のあるイベントが何気なくさらっと行われていて、これがまた京都の魅力でもあるのでしょう。これ見よがしでなく、少しはそういった気持ちもあるのかもしれませんが、表には出さず、淡々と行なって行く姿には感動しました。
そういうイベントを続けていくのは、当事者の間ではやはり大変なことだと想像しますが、代々受け継がれてきた重みにも繋がっていくのでしょう。
お腹が空いていたのもすっかり忘れて舞に見惚れてしまい、こんな大きな意外性を何気なくさらっと見せてくれる町はそう無いのでしょう。だからこそ人はここ京都に集うのだと勝手に腑に落ちてしまいました。
帰りは、八阪神社から阪急四条大宮の駅まで歩き、途中で食べたみたらし団子は熱々でおいしく、まだ少し時間があったので新京極商店街でウロウロして、また小腹が空いたので食べた鯛焼きはしっぽがカリッとして中のあんこは絶妙で量もちょうどよかったです。
ほんの数時間の京都滞在でしたが、先ほどまで京都はあざといとか言っていましたが、そのあざとさにまんまとやられてしまいました。
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