今日は、和歌浦明光商店街でwakaura wander streetが開催されていました。
出店ブースを訪れる前に、地元の紀州東照宮、和歌浦天満宮と玉津島神社を参拝しました。
イベントは11時からでしたが、10時過ぎには、すでにお客様が来られ、賑わいを醸し出していました。
イベント会場には、地元のお店がお寿司やドリンクなどを提供して頂いていました。
そうした中、お昼のお寿司を食べた後にふと立ち寄ったお茶のお店で三味線の音色が聞こえてきました。
元々は呉服店だったお店をリノベーションして、イベント期間中に、お茶を提供されていました。
お店の方のご好意で、三味線を演奏している前に座らせて頂く事ができました。
演奏されていた方はなっちゃんという方で和歌山県の熊野から来られていました。
なっちゃんは大阪の栄養管理学校に通っている途中に、お祖父さんのお茶畑が存続出来ないことに危機感を覚え、お茶作りを受け継ぎました。
元々なっちゃんは、日本舞踊をされていたのですが、和歌浦で空き店舗を活用したいという方と出会い、熊野のお茶を広めたいという想いを伝えたところ、このwakaura wander streetでの出店に結びつけることが出来ました。
お茶作りは、他の農業と同じように長時間労働と後継者不足という問題を抱えていますが、なっちゃんは、苦労を表に出さずに、普段の仕事内容を伝えてくれました。
イベントに出店した理由のひとつは、熊野のお茶の販売販路を広げる事ですが、なっちゃんの最終目標は、お茶や着物、三味線などの日本文化の継承でした。
私は普段のお茶はペットボトル入りを飲む事が多く、急須で入れたお茶を飲んだのはかなり前の事です。着物や三味線となると、着た事も演奏した事もなく、ただ言葉として知っているというあり様でした。
なっちゃんが演奏していた場所は昭和の初期に呉服店として営業されていたこともあり、部屋には掛軸の様なものもかけられていました。
100年近くの時を経て、今は呉服店としては使われていない場所で、三味線の音色を聞きながら、お茶を頂く機会を得ることが出来ました。
この和歌浦のイベントは、使われていない古民家を利用した催しではありますが、イベントを通じてお茶と三味線の魅力、そしてお茶をはじめとする現在の農業問題を一人の女性の行動を通じて教えて頂きました。
今日のなっちゃんの活動を知って、古民家の活性化は、ただ人を呼び、店舗経営を行うだけでなく、人の生きる想いや町の歴史を振り返ることでもある事を学ぶ事が出来ました。
町が生き生きとした場所でい続けるという事は、ただ単に経済的に循環させれば良いというのではなく、人の想いを如何に店舗経営に反映させるのかという事でもあると考えます。
大学の経営学の授業を受けていた際に、長く続いている会社には、代々受け継がれている理念がありました。
理念という、一見、形には見えないものが、長く続く根本である事を実感できました。
和歌浦明光商店街も、地元の台所というだけでなく、触れ合いの場所にもなっているようでした。
商店街とは何か。改めて考えるきっかけを今日頂く事ができた1日でした。
なっちゃんのHPはこちら
コメント