百貨店とは何かと問われたら、色々なものやサービス特に高品質、高価格の商品が売られている所と答えが返ってくることでしょう。
確かに、阪急百貨店や高島屋など百貨店と認識されている場所を訪れると、上記のように美味しそうな食品や素敵な衣服、高価そうな時計などが販売されています。
しかし、高品質、高価格の商品が売られているだけでは、いわゆる百貨店と認識されないと思われます。
百貨店とは何かと尋ねられると
私の回答は、『それまでに存在せず、いわば革命的に設立された株式会社』となります。
しかしこれだけでは、抽象的すぎるので歴史を振り返りながら説明していきたいと思います。
百貨店という業種が誕生したのは、今から120年前の1904年に三越がデパートメント宣言を行なった後、百貨店という名前を「商業界」の主幹桑谷定逸が付けたとされています。
三越はその祖として伊勢松坂に生を受けた三井高利が、1673年、江戸に越後屋を開業したことに始まります。
高利は、当時52歳で間口9尺の小さな店を開店させたと言われています。
高利は商売の仕方として、客には反物一反を欲しい分だけ切って販売したり、当時の慣習である年二回の売掛回収から購入後に現金販売を行うことで客の利便性のみならず、店の経営を効率化することに成功しました。
その結果、店は10年後には大店となり、幕府の御用達にまでになりました。
しかし、時は流れて江戸幕府が倒れ、社会構造が根本から変わっていく中でも、越後屋はそのビジネスモデルを変えることができていませんでした。
越後屋のビジネスは、武士に対して登城用の上下一式や家財道具を販売していましたが、倒幕により武士という顧客層が無くなってしまいました。
こうした一大事においても、越後屋は変わることができず、それどころか改革に対してはストライキを起こす始末でした。
会社側の立場になって見ると分かるように、売上が激減し、その上改革しようとすれば従業員から反発されストライキを起こされる。おまけに当時は明治政府からも呉服業を三井家から外すことを迫られていました。
会社としては、三井家から呉服部門を外したくなるのは、想像に難くありません。
長くなるので、今回はここまで
コメント