和歌山市のJR和歌山前には、わかちか広場という地下一階に作られたイベントスペースあります。
このわかちか広場は、近隣の近鉄百貨店や、市営の駐車場ともつながり、雨にも濡れないことから、普段から利用していました。
しかしながら、その利便性の良さにもかかわらず、イベントなどは頻繁には行われていませんでした。
広場を歩きながら、せっかくの場所なのだから、イベントがもっとあればいいのにと思っていました。
そうした折、そのわかちか広場で東京大学の小泉秀樹教授を迎えてのシンポジウムにお誘いを頂きました。
シンポジウムでは、登壇に立たれた小泉教授は、場所の価値をベースとした場所論の観点から、まちづくりについて講演されていました。
まちづくりにおける背景として、人口減少、空き家数の増加、高齢化を挙げられ、都市化が進むと高齢化が進んでいくのは、世界的な兆候であることも指摘されていました。
今後どのようにして、街や都市をデザインしていくのかについての一つの解として、機会や体験を共有しあう場所作りを提案されていました。
一例として、横浜市における横浜市役所と東急電鉄とのコラボレーションの事例を紹介され、具体的には、早朝から開くコミュニティカフェやヨガなどの公共空間を利用した健康プロジェクトを挙げられていました。
かつては、モノが主体の経済社会から、今後は体験を共創する時代へ変化していくことも述べられ、ハードを建設するだけでなく、人々が集まり体験を共有できるまちづくりの必要性も述べられていました。
確かに、モノを購入する時はうれしいのですが、段々と使わなくなっていくと、最初の喜びは薄れていき、しまいには、邪魔な存在となり押し入れや物置に直されてしまいます。
一方、夏休みのラジオ体操やはんごう炊飯は早起きのしんどさや火おこしの難しさに手こずりながらも、当初の思い以上の記憶が残っています
エアコン完備などの快適なハードを中心としたまちづくりも必要ですが、それ以上に何をそこで行うのか、どんなことを体験できるのかが重要であることを再認識させて頂きました。
その街にあり、その場所にしかない価値を利用したまちづくりが今後より一層求められ必要とされるのだと学ぶことできました。
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