連休が取れたので、以前から興味のあった岡山市の天満屋岡山本店を訪れました。
岡山市の中心市街地に位置する天満屋岡山本店は、約200年の歴史を持つ企業で、百貨店事業をコアとした約20種の業種からなる企業です。
2022年2月期の売り上げは約863億円と地方百貨店の中では、堂々の一位を勝ち取っています。
その天満屋に沿って、約6つの商店街から成り立つ表町商店街があります。
全長1kmの長さを誇る表町商店街は、これまで訪れた大阪三大商店街とは趣きが異なり、高級腕時計や宝飾品、備前焼物店など趣味性の高いお店が散見され、商店街のアーケードも高級感があります。
JR岡山駅からでは、約1.5kmの位置にあり、さらに1.2km先には岡山城があるため、ちょうど駅とお城の中間に商店街と百貨店が位置しています。
岡山市にはもうひとつ百貨店があり、JR岡山駅の道を隔てた好立地に岡山高島屋があります。
岡山高島屋はこれまで地元の両備ホールディングスと資本提携を結んでいましたが2020年に高島屋の完全子会社となり、今年設立50年目を迎えました。
岡山の玄関口とも言えるJR岡山駅を目の前にし、駅前再開発の下、近隣のビックカメラやホテルグランヴィアなどともに通行客には事欠かない立地にあります。
しかしながら、内装は天満屋本店と比べると老朽化がそこかしこに見受けられ、大阪や名古屋などの高島屋ほどの高級感の乏しい印象を持ちます。
また、JR岡山駅の裏手とも言える西口には、奉還商店街という、大政奉還後に職を失った武士が始めたとされる商店街があります。
乗降客数約13.8万人という新大阪駅とほぼ同じ規模を持つ駅から約10分程のところに奉還商店街はあります。
こちらも駅裏とは言え、立地の良い場所に立地をしているものの、先ほどの表町商店街ほどの活気はなく、どちらかと言えばレトロ感満載の商店街です。
岡山市では、駅から離れた中心市街地が賑わいを持ち、駅周辺は賑わいがないわけではないが、中心市街地程ではなく、設備のリニューアルもあまりされていない感がありました。
私の住む和歌山市では、岡山市とは逆にJR駅周辺が賑わいを持ち、中心市街地は寂れています。
駅と中心市街地の距離、さらにお城までの距離もほぼ同じなのに、賑わいのあり方に差がありました。
何故なのでしょうか?
町が賑わいを持つとはどういった事なのでしょう。よく言われるのが健全性です。
辞書によると、健全性とは、心身共に健康体であることとされています。
人が健全性を持つ場合はパーツである臓器(organ)が正常に機能し、心と体全体が健やかに安定している状態を指します。
町の場合では、個々の店舗が赤字にならず、法律や規則に違反することなく成長していき、組織体(organization)としての町が持続的に発展していくことであると認識できます。
確かに、人口約71万人の岡山市と36万人の和歌山市では人口に差があるからという意見もそれなりに理解もできますが、それでも、人口が約二倍以上の賑わいを岡山市にはあると感じます。
町の賑わいとは、個々のorganである店舗がまず、健全に機能し、その後にお互いに影響を受け合い、そして全体としての組織体(organization)として改めて機能する。そうした循環が町の賑わいには必要なのだと思います。
組織体については、最近上梓されましたこちらの書籍が大変有益であり、学ばさせて頂きました。
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