自宅近くにある土入川は、戦前は川遊びが出来たほどきれいだったそうですが、私
が物心ついたときにはすでに、ヘドロまみれのドブ川となっていてました。紀ノ川
河口につながっていることから海水が混じり汽水の状態のため、河口付近ではスズ
キやチヌが釣れ、ボラなどは結構川を登って水面を飛び跳ねています。
しかし、潮が引くと川底にはヘドロが堆積し、目を背けたくなる光景となります。
和歌山市も浚渫を行なってくれていますが、なかなか長年堆積したヘドロは一朝一
夕にはなくならずほとんど変わらない光景となっています。
ヘドロが堆積した原因の一つが下水道の普及が遅れていることであり、国土交通省
が令和元年8月に発表した汚水処理人口普及率では全国ワースト2位であり、県庁
所在地の和歌山市でさえ67.1%でした。
つまり、約3割強が汚水を川に垂れ流しているということになり、各家庭からでる
生活排水を下水道につなげようと工事は行われているものの、最後のワンマイルの
肝心の家庭からの排水をメインの下水道につながるのがまだまだ先のことになりそ
うです。
旅行した際に各地の川を見てきましたが、土入川ほど汚れた河川はありませんでし
た。たまに散歩中の親子が小さいお子さんに土入川を見せているのを見ると、申し
訳ない気持ちでいっぱいになりトーンダウンしてしまいます。東京の多摩川の浄化
の記事などを読むと、きっと土入川もかつてのきれいさを取り戻せる日が来ると期
待するのですが、そのためにも、住民自らが川を汚さない、きれいにするという意
識を持って頂けるといいなと思う日々です。
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