これまで、三井銀行出身の高橋義雄と日比翁助が呉服店を株式会社化し、旧態依然の販売方法を刷新する事でデパートメント(百貨店)という革命的な商業施設を創り上げたことを述べてきました。
一方、同じ三井銀行出身の小林一三は、鉄道会社の一部門として新たな商業施設を創り上げました。それが、阪急百貨店です。
小林の創り上げた阪急百貨店は、阪急電車の乗客をただの乗客だけにせず、新たな商業施設を作り、そこへ誘導する事で新たな需要を創り上げる二時的利用のためにできたものでした。
今でこそ、阪急といえばとくに関西では、高級、高品質のイメージがありますが、阪急電車が設立された時は、乗客が少なく、阪神電車の方が優位に立っていました。
呉服業から百貨店へと展開した企業としては、大丸、高島屋、松坂屋などが挙げられますが、阪急の百貨店設立にならってできたのが、東急百貨店、小田急百貨店、東武百貨店が挙げられます。
百貨店の設立過程として、呉服業と電鉄会社の二本を挙げられることが多く、それはそれで分かりやすいのですが、やはり百貨店という業種を創り上げたのは、三越であると私は考えます。
そして、その初めての業種である百貨店というものを社会にいかに認知させ、利用して頂くようにしていったか。
ここが百貨店の設立とともに重要な点であると考えます。
ここからはまた長くなるので次回へ。
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