コロナが五類になってから、百貨店の売上は回復基調となり、インバウンド需要も上乗せされたことにより、コロナ以前の売上を超えてきました。
しかし、インバウンド需要は東京、大阪、などの都市部に集中している傾向があり、いわゆる地方都市にはその恩恵が届きにくくなっていました。
今日、訪れた大阪府東大阪市にある近鉄百貨店 東大阪店も大阪難波から近鉄電車の普通電車で約10分の位置にある布施駅にありながら、ほとんどインバウンド客はあまり見受けられませんでした。
近鉄百貨店 東大阪店は、一階だけの小規模店舗で、食品を主に扱い、また同じ高架下には、近鉄系の近鉄ぷらっと、近商ストア、ロンモール布施が並んで営業を行っています。
近鉄ぷらっと
また、近鉄布施駅を中心に、昭和レトロを感じさせる大小8つの商店街が存在しています。
布施商店街map
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百貨店を出て、商店街をぶらぶら歩いていると、なんとも言えない良い感じのパン屋さんに出会いました。
お店の名前は金太郎パンさんと言い、創業約100年の老舗店です。
お店のドアから中を見ていると、美味しいそうなパンが並んでいて、活気の良さが伝わってきました。
確かに金太郎パンさんには、インバウンド客はあまり見かけませんでしたが、地元の方がひっきりなしに訪れていました。
商店街を歩いていると、金太郎パンさん以外にも、昭和感満載のお店が並んでていて、地元の方に利用して頂いているようでした。
これまで訪れた高松市や松山市などの地方都市では、百貨店は比較的大きく、7、8階の店舗が多く、その大きさからも町のシンボルとして認知されていました。
今回訪れた近鉄百貨店 東大阪店は商品ラインナップは主に食品のみで、いわゆる百貨店としては物足りなさは感じられますが、これまで訪れた百貨店と異なり、良い意味で百貨店感が少なく、周りの商店とともに布施駅周辺の賑わいを創り出していました。
大都市の大規模百貨店は、フルナインナップの品揃えで、国内外の集客に努める戦略を取り、一方で地方都市の百貨店は、周辺の商店街とともに地元の方を、生活密着型の戦略を取ることで、生き残ることが可能ではないかと考えます。
特に、地方都市には、それぞれ固有の歴史を持っているため、その歴史に基づいた生活スタイルを提供していくことが重要だと考えます。
今回訪れた布施駅周辺の商店街も、布施戎神社の参道周辺に集まった商店ともに、東大阪市を代表するエリアとなっています。
こうしたエリアも、無くさず、後世に残していくことが百貨店の役割でもあるのでは私は考えます。
百貨店の規模ではなく、いかに地域を盛り上げ、牽引できるかが地方都市における百貨店の役目の一つではないかと期待しています。
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