昨日は、京都大学経営管理大学院の山内裕教授による講演が和歌山市の萬波リゾートで行われました。講演の中で、山内先生は『客を否定する闘争的サービス』と題して、価値の創造について説明して頂きました。
タイトルからは何か猛々しい印象を持ちますが、闘争的についてマルクスの概念を引用しながら、店主と客のコミュニケーションについて、実際の寿司店を題材に、無愛想な店がなぜ支持されるのかをリサーチされていました。
簡潔に言えば、フレンドリーなお店よりも、よくわからない掛け軸や、メニューを置いている店の方が高級感があるように思われ、そういったお店へ行くことの方がステータスを感じることができ、客の満足度は高くなるということでした。
私は、そんな高級なお店には行ったことがないので、上記のような満足を体験したことはありませんが、なんとなく仰られていることは分かりました。
ハイソサエティーに属するいわゆる上級な人たちの中では、簡単に理解できたり、満足できることは低級であり、価値が高いとはみなされないとのことでした。
つまり、より高いサービスを提供するためには、簡単にそのサービスの中身が分かってしまわないことが必要で、努力を表に出してしまわないことが大事であるということでした。
ここまで、説明して頂けると、段々と『闘争するサービス』について理解できるようになってきました。
サービスとはただ単に、提供するだけでなく、受けての反応があって成り立つものでありますし、サービスの内容も受け手により変化させることも必須です。
とは言え、普段普通のお店で食事等を行っている身としては、高級なお店で食事をするのはなかなか骨が折れそうというのが実感でした。
今回の講演をお聞きして、研究というのは、自身が気になることであれば、研究してもいいのだという安心感も感じることができました。
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