全国旅行支援キャンペーンが10月11日からスタートしました。勤めているホテルでも対応する事となり、その準備にてんてこ舞いでした。
制度の複雑さと例外の多さで、基本のルールが曖昧なため、お客さまへの説明がとても複雑なものとなってしまいます。
制度的には、全員平等、公平の立場をうたっていますが、インターネットの知識や経験がない人にとっては、ハードルが高い制度だと思います。
そのため、ホテルで代理登録が可能と記載されていますが、人員が限られた中で、代理登録を行うと他の業務が滞り、他のお客さまを長時間待たせることとなります。
また、インターネット旅行業社も対応に苦慮されているらしく、実際は13日からスタートするようです。
おまけにメディアで、制度のお得さをアピールしているため、各サイトにアクセスが集中し、サーバーに負荷がかかりすぎて、サーバダウンを回避するために機能低下や一時的に機能をストップしています。
旅行需要を喚起する事で経済を回復させるという目的を達成するための施策により、予約サイトに繋がりにくくなったり、通常業務に支障が出ています。
これは、パニックと言って差し支えないと考えます。そしてそのパニックを誘発したのは、国とメディアだと私は思います。
過去の東北大震災や近年では、ドコモやKDDIのトラブルにおいて、想定外の事が発生したと言うと、想定外に対応しておく事が必要であるという論調をよく見かけます。
しかし、実質的に対応できない事柄があるのは、事実です。また、今回は人為的に想定外の事柄を作り出したと言っても過言ではないと思います。
現在の宿泊予約は半数以上がインターネットを介して行われています。そのインターネットが機能しなくなると、たちまち、通常業務は混乱に陥ります。
防災訓練の一つであるとの見方もありますが、情報の濁流となった川に対して出来ることは、ほとんどありません。ただ、落ち着くのを待つしかないからです。
濁流の原因となったのは何か。
今回の旅行喚起キャンペーンはあまりにも駄施策であると言わざるを得ません。
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