あべのハルカス近鉄本店は、大阪市南部の阿倍野区に位置し、売上高は約1135億円と近鉄百貨店全10店舗の中で一番であり、全国の百貨店ランキングでも10位になっています。
建物の高さも300mと2023年に麻布台ヒルズ森JPタワーに抜かれるまでは、日本一の高さを誇っていました。
あべのハルカス近鉄本店は、近鉄電車阿部野橋駅構内にあり、約14万人の乗降客数があります。
近隣にはJR西日本の天王寺駅(大阪環状線)、大阪メトロ天王寺駅、阪堺電車 天王寺駅前駅があり、大阪南部における一大集客力を持っています。
また、近隣の天王寺公園においては、グループ会社傘下の近鉄不動産が大阪市から運営委託を受け、てんしばの名称であべの天王寺エリアの憩いの場として運営を行なっています。
近鉄百貨店の中期経済計画(2021-2024年)では、あべのハルカス近鉄本店の強化に加えてあべの、天王寺エリアの魅力最大化を挙げ、まちづくり事業の推進を図っています。
あべの周辺の再開発事業は、大阪市が中心となり戦前からの老朽化された建物が密集し、また道路、公共施設の不足を解消するために実施されてきました。
しかし、その事業費は当初4810億円を見込んでいましたが、事業の長期化と建設費の高騰により総額1824億円の赤字となってしまいました。
再開発事業の跡地には、東急不動産によるあべのキューズモールが建設され、交通、商業施設充実したエリアとなっています。
大阪市内には大きく分けると三箇所の商業エリアがあり、JR西日本、阪急、阪神電鉄のターミナルエリアである梅田と、南海電鉄が主に開発する難波エリア、そして今回のJR西日本、近鉄電車が開発するあべの、天王寺エリアがあります。
あべの天王寺エリアは、近鉄電車にとって重点エリアのひとつであり、あべのハルカス近鉄本店を中心として、乗降客の増加のみならず、商業施設の利用数増加を目的としています。
あべのハルカスは、コロナ禍を経て今年10周年を迎え来館者数を3億人を突破しました。
また、近鉄百貨店は2023年度から農業ビジネスにも参入し、近鉄沿線で自社栽培された農産物を百貨店内で販売しています。
第一弾として、大阪府河南町のはるちかファームで栽培されたいちごをはるかすまいるの名称で販売しています。
近鉄百貨店は、近鉄電車の沿線に設立されている事が多く(草津店、和歌山店はJR沿線)電車の乗降客を利用できる利便性を備えている。
近鉄電車は、大阪を起点とし名古屋、伊勢志摩、和歌山と広範囲に鉄道路線を敷設していることから、沿線の魚介類や農産物の速達には優位性を持っています。
今後、近鉄百貨店におけるビジネスのひとつになることで百貨店のみならず、周辺エリアの活性化に寄与できることが見込まれると考えられます。
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